きみの友だち

弟の友人で補欠の子が好き!



  

重松清の同名の小説を映画化。映画化されると知って、あわてて原作を読んだ。
いいお話しなんだよなぁ、原作。

もう多くの映画館では上映が終わっていて、新宿武蔵野館でも一日一回だけの上映になっていた。いい話だけど、出演者も地味だからきっとガラガラだろうと思って出かけると...。
入口でいきなり「立ち見になります」と云われる。そんなこと云われても、明日はもう来られない。それ一番大きいスクリーンではなく、最も小さいもぎりの向かいにあるスクリーンでの上映。仕方ないから、真ん中の通路に座って観る。こんな態勢でお金を払って映画を観るって、いったい何時以来かなぁ?

舞台は山梨県の甲府市郊外。 主人公の少女は幼い頃、ちょっとしたことが原因で学校からの帰宅中に交通事故にあい足が不自由になってしまう。この主人公とただ一人仲が良かった女の子との関係を縦軸にして、一見関係がないように見えるけれど実はどこかつながっている男の子や女の子が代わる代わるに出てきて横軸となってお話しが展開していく。

どんなお話しなのか、その詳細はお時間があるときに原作を読んでいただくとして、過去と現在を織り交ぜながら語る口調は原作そのままで、なかなか好感が持てる。出てくる人たちも、決して美男美女ではないところに親近感を覚えますね。ただ、やっぱりいつも感じることだけど、映画はその長さから云っても、原作との関係はどうしてもダイジェストになってしまう。それが惜しい!
もう少し大胆にエピソードを絞り込んでも良かったかもしれないな。中高生くらいを意識して、現代の話しはもっとさらっとして、子供時代の心の機微を描いても良かったのかもしれない。そう思ってしまうほど、原作のひとつひとつのエピソードがいいんだから!

だけど、もし、原作をお読みになっていない、もしくは読む予定が無い方は、この作品(映画)だけご覧になってもいいと思いますよ。
結局、人間は一人だけでは生きていけない、誰かに支えられたり、影響したり、影響を受けたりしながら生きていくものなんですね。
まずまずのおすすめだと思います。

おしまい。