私の胸の思い出

どうして私が! と思うよね



  

ミリアムヤンとリッチーレンが主演のラブコメディ。ラムシューもちょいっと顔を出している。
しかし、この映画をラブコメディというジャンルで簡単に分類してしまうのはどうかな。もちろん、映画だからいろんな要素を含んでいるだけど、このお話しは“乳がん”が大きなテーマになっている。そして、女性にとっては、命や顔の次に大切な存在なんでしょうね、乳房は。
だけど、シリアスなつくりにはなっていない。この表現方法については恐らく賛否両論だと思うのだけど、誰が観ても楽しめて、そして乳がんに対しての理解が深まるのだから、何も目くじらを立てて否定する必要はないと思うんだけどどんなものでしょう?

広告代理店のかなりいけてる営業パーソンを演じているのがミリアムヤン。この人もいつの間にかしっかり芝居が出来るスターになったねぇ。相方の心理医がリッチーレン。

香港の方々がこんな映画を観てあこがれるのであろうビジネスパーソンの生活ってこんなんなのね。そんなことがよくわかる。そこにビンゴ(ミリヤムヤン)の“乳がん”が絡んで、お話しは展開していく。
健康でいるなら、目の前にある不幸なんてなんでもない。
どうして自分ががんにならなくてはいけないのか...。
誰もががんに直面した時にそう思うようなストーリーが展開される。
民間療法や気功やら太極拳...。はてはコインの賭けまで、何でも縋りつきたいものなんですね。

結局、次に現れるのは乳がんを乗り越えたひと組の夫婦。
人には受け入れて、そして乗り越えなければならないものがたくさんあるんだなぁ。

しかし、とうに終わってしまっているはずの彼氏からの連絡を待ってポケベルをいまだに大切に持っていたり、漢方に凝ったり、いけ好かない上司や、有給休暇の取得やら、エステや、酒場でのバカ騒ぎ(ここにラムシュー登場!)や、生保の勧誘...。
楽しく観られて、そして啓蒙にもなるというお話しですね。是非にとは申しませんが、チャンスがあればご覧になってもいいのではないでしょうか。

おしまい