オリヲン座からの招待状 |
確かに美しいお話しだけど... |
浅田次郎は稀代のストーリーテラーであることは間違いない。一体、アタマの中をどう捻ればこうも次々とお話しを創作出来るのだろうか。本当に驚くしかない。そんな著者の原作を映画化したのがこの「オリヲン座からの招待状」。ボクは原作は未読。 そう云えば、昔々、ボクがまだ幼かった頃、映画の幕間には籠を首から下げたお姉さんが、ピーナッツやアイスクリームを売りに来ていたような気がする。ただ、今とは違って、映画を観ることは数年に一度あるかないかのことだったので、あまり自信はないんだけど...。
戦後間もなくの京都の街。
きっと原作は、このオリヲン座からの最後の招待状を受け取った主人公がいて、華やかな頃のオリヲン座を振り返る趣向だったのだと思う(もちろん、映画でもそうなんだけど)。振り返ることよりも、その時代のオリヲン座を描くことに主眼を置きすぎてしまったかな。
それにしても、なくなるもの、消えていくものとは、なんともはかなくて美しいものなのか。それがどんなものであっても、長くあればあっただけ、それぞれに想い出は詰まっている。
それはともかく、少し年代差があってノスタルジィに浸るとまでは行かなかったものの、美しいお話しであることは確か。時の流れの残酷さは確かに描かれているものの、それは世の常なんですね。 おしまい。 |