投名状/WARLORDS

中華武侠ものの王道です



  

続いても一本、普通話の作品を観る。
こちらも全くのノーマークの作品だったけど、ポスターやチラシを見ると、ジェットリー、アンディラウ、金城武の三人が主演する豪華な武侠もの。こりゃ知らなかったけど、これだけのメンツが揃っているなら観ないわけにはいかないでしょう。
ソウル劇場で22時過ぎにスタートする遅い回。少しアルコールも入って眠たいけど大丈夫でしょう、きっと...。

いったい何時の時代なのかわからないけれど、とにかくまだ世の中が乱れている戦乱の時代。
戦(いくさ)が終わり、平原に累々たる屍が横たわっている中、一人の兵が息を吹き返す。その男がジェットリー。歩き始めた彼は、廃村になった集落で途中であった女と一夜を過ごす。翌日、荷を満載した官軍を待ち伏せして襲う盗賊の集団に出くわし、共に戦う。活躍を認められ、その盗賊の集団に加わることになる。この集団を率いているのが、アンディラウと金城武。義兄弟の杯を交わした三人はめきめきと頭角をあらわし、官軍からも一目を置かれる存在になるのだが...。

彼らの高い戦闘能力が認められ、最初は駒のひとつとして使われているのだけれど、次第に誰の手にも負えなくなる。そして、とうとうジェットリーは武官の頂点にまで上り詰めて皇帝に拝謁するために宮廷に向かうのだが...。
また、冒頭で出会った女。実はアンディラウの女でもあっただけに話しはややこしい。その割には添え物的な描かれ方しかしないのは、物語り全体のスケールがでかいだけに仕方ないか。
残念ながら細かいお話しはよくわかりませんでした。相手関係も敵味方もよくわからないし、とにかくしょっちゅう戦をして、チャンバラばっかりしている。。

とにかく、金もかかっただろうし、人も雲霞のように出てくる(実際、凄い数のエキストラ)。このところの武侠ものの映画には圧倒的な人数が出てくるのがあ当たり前になってしまった(「英雄・HERO」がきっかけになったのかな)。その迫力にはただただ口をあんぐりと空けて見守るしかないね。寝返った部隊(?)を城壁に囲まれた一角に押し込めて皆殺しにしてしまうシーンなどは目も開けてられなかあったけど...。
ただ、ストーリーそのものにそんなに目新しいものも無かったので、実はちびっと「またか...」と思ったのも確かです。

今、北方謙三の「水滸伝」(文庫版)が佳境を迎えているのだけど、この映画を観ていると「水滸伝」の世界もこんなんだったのかなと思う。もちろん、全く違ったかもしれないけど...。
名もない兵は、個々としては存在せずただの影にしか過ぎず、意思もなく、踏み潰されてしまえばそれでおしまい。補充は幾らでもいるわけだ。数を頼んでひたすらに押し捲るしかない。合戦の場面だけ見ていればそうなんだけど、実際は一人ひとりが飯も喰えば用も足すわけで、意味もなくただ闘い続けることは出来なかったんだなと、よ〜くわかる。

このメンバーだけに、恐らくそう遠くない日に日本でも劇場公開されるのは間違いないでしょう。ボクにはわけがわからない部分が少なくなかったので、ちゃんと字幕付きで拝見したいと思いました。
圧倒的な迫力がありますので、大きいスクリーンでこそ楽しめる作品。DVDやVCDよりも、是非映画館でお楽しみいただきたいですね。
そうそう、金城くんはそうでもなかったけれど、ジェットリーやアンディラウってむさくるしい具足姿が妙に良く似合うんだよなぁ。

おしまい。