不能説的秘密/Secret

これって、青春学園モノの王道ですよね



  

どうしてソウルまで来て台湾の映画を観てしまうのか、若干理解に苦しむような気もするけど、香港で韓国映画(「我的野蠻女友」など)を観て、大声で笑い転げることもあるのだから、やっぱりこれも「あり」なんでしょう、きっと。
続けて同じく大韓劇場で拝見したのはジェイチョウの主演監督作品「不能説的秘密/Secret」。

青春映画というカテゴリーは何をもってそう分類されるのかは知らないけど、このお話しには青春映画が持つであろう要素がドカンっとてんこ盛り。
音楽室、古い図書館、通学路での通り雨、雨宿り、自転車の二人乗り、海岸線、河川敷、沈む夕陽を見る屋上、ライバル、対外試合の応援、etc...。もうまったく、これでもかって感じ。
ただ、それがわざとらしくないというか、クサクないのは、ひとえにジェイチョウとグイルンメイのおかげ。まぁ、ボクに言わせると、ほとんどグイルンメイちゃんのちびっと古風で憂いのあるかわいさのおかげなんですけどね。それに、制服がかわいくていいんだなぁ...(うっとり!)。

こないだまで群馬の赤城山のふもとで豆腐屋の親子だった(「頭文字〈イニシャル〉D THE MOVIE」)二人(ジェイチョウとアンソニーウォン)が、いつの間にか台北(淡水?)の芸術高校で生徒と教師の親子に変身しているのには驚くしかない。アンソニーウォンのちょっととぼけた演技がツボに入って凄くいい! 二人で踊るシーンは必見です。
ボクは全く知らなかったんだけど、ジェイチョウという方はかなり才能豊かなようで、ピアノも弾けるし、作曲もして、この映画に至っては自分で演出もしているのか...。凄すぎる!
グイルンメイちゃん、かわいいのはもちろんなんだけど、饒舌ではなくて台詞ではない表情や態度でものを言える演技はなかなかいいです。彼女のライバル(?)役の女の子も顔が小さくて本当はなかなかかわいかった。ラグビー部の落ちこぼれ二人組みもいい感じです。

ストーリーは、奇想天外!
こんなことってあるかもしれないけど、普通はないよね。でも、そんなことはあんまり関係ない! 何しろ、王道を行く青春学園ものなんだもん! だからここでは敢えて物語りを披露はしない。まぁ、最後がサスペンス調になるのはどうかなぁって思うけど...。

とうの昔に青春時代を通り過ぎてしまったボクにとっては、全てが美しく眩しい。もう二度と戻ってこないのは知っているけど、こうしてスクリーンを通して夢を見ることは可能なんだなぁ...。
そんなわけで、若い方たちにも、もうおっさんになってしまった方にも安心してオススメできる一本です。
日本での公開はどうでしょう? 可能性がないわけではないと思いますが、微妙。中国語圏の作品って上映会レベルってほとんどないからね。内容的には受けるとは思いますが...。DVDやVCDでも充分お楽しみいただけるし、お話しそのものが極めてシンプルなので、日本語字幕が無くてもほとんど支障なくお楽しみいただけるのではないでしょうか。

おしまい。