「火山高」

アクション武侠学園コメディ


  

韓国映画が相変わらず元気。日本でもゾクゾクと公開される。
今回ご紹介するのは東宝系でロードショウ公開されている「火山高」。字幕版と吹替版が用意されており、梅田のナビオTOHOプレックスでは2館を使って両方が上映されている(凄い!)。字幕版の初日初回を観てきた。
上映されるのは、またしても#5だ。この#5は映画を観るのには適していないと思うんだけど、どんなものでしょう? 
場内は20名ほどと淋しい、もう少し入っているのかと思っていたのに。ボクの隣は西宮から来た女子高生二人組(会話の内容からわかった)。ナビオで上映するとこんな人たちにも韓国映画を観るチャンスがあるということなんだなぁ。「韓国映画祭」とかの催しでは見かけることが出来ない人たちだ。

さて、映画のお話し。
タイトルからもおわかりのように学園もの。それもかなりぶっ飛んだ学園もの。うらさびれた火山高が舞台。物語は99%この校内が舞台になっている。この高校に伝わる大切な武芸書「師備忘録」の争奪戦がテーマ。
これまで幾多の高校を退学になってきたキムギョンス(チャンヒョク)が火山高に転校してくるところからこの映画は始まる。
火山高では孤高の番長ソンハンニムと火山高No.1を狙うチャンリャン(キムスロ)が張り合っていた。そこへ女子剣道部の部長で冷血の美少女(?)ユチェイ(シンミナ)が絡んで、もう授業どころではない。
チャンリャンは校長が保管している「師備忘録」を手に入れるため、教頭と組んで校長を暗殺しようとし(未遂に終わる)、ソンハンニムを罠にはめ投獄する。そして、教頭はチャンリャンと手を切り新たに5名の教師を雇い、武力で生徒達を押さえ込もうとする。
混乱の極みの中、今度こそ退学処分を受けずになんとか卒業したいキムギョンスも闘争に巻き込まれていくのだ...。

全編が「ありゃぁ!」って感じで進行していく。
出てくる高校生たちが学生服を着ているものの、みんなもう高校生には見えないゾ(まぁ、それはイイとして)。何がなんだかわからないうちにギャグが織り込まれながらも決闘や対決が行われ、ようやくお話しの輪郭が理解できるのは映画が1/3は進んだころだ。でも、そんな強引なお話しの進め方も悪くない。現実離れしたコミックのようなアクションシーンはなかなか見応えがある。

主演のチャンヒョクは愛嬌たっぷりでなかなかかっこいい。後日公開予定の「猟奇的な彼女」に主演しているチャテヒョンに感じが似ている。
紅一点のシンミナは初めて見る顔だけど、香港映画にたくさん出ている台湾人女優スーチーを若くしたような感じですね。
キムスロは「反則王」にもちらっと出てましたね(現ヴィッセル、元レッズの岡野に見えて仕方なかった)。

何とも形容し難い映画ですが、結構親しみが持てる「アクション武侠学園コメディ」(そんなジャンルあるのか?)です。深く考えずに軽い気持ちで観て楽しんで下さい。
同じ観るなら、ビデオやDVDではなく、でっかいスクリーンでどうぞ。吹替版は未見で比較はできないけど、ひょっとしたら字幕版よりも素直に観ることができるかもしれません。

おしまい。