最遥遠的距離/The Most Distant Course/遠い道のり |
人は旅に出るものだ。 |
スマートさはないけれど、どこか夢のような...。そんなはかない思いをスケッチしたいいお話し。
台北の街角。
汗臭い男の一人住まい。ふと目を覚ませた男は自分がとんでもないミスを犯したのを知る。機材を片手に慌てて現場に駆けつけるが、そこにはもうすでに自分の仕事は無かった。別の録音技師が彼の場所に座っている。
脂臭い男の顔がアップ。カウンセリングをしているのか。医者なのか(ほんまか?)。一転して、怪しいホテルの一室。先ほどの暑苦しい顔をした男、女性を連れ込んでいる。今度はマンションの一室、一人で寝ているこの男が目覚める。悪くない生活を送っているのがわかるが、無頓着でありながら一人暮らしの侘びしさが色濃く漂う(ネクタイの臭いをかぐなょ!)。
こんな三人、交差しそうで交差しない。
ありそうだけどない。
調べてみると、東京国際映画祭で上映された作品のようですね。今回は変則的な上映。油麻地の百老匯電影中心で22時過ぎから一度のみの上映。ここはちびっと変わっていて、映画館の横が映画の資料館と映画関係の書籍やグッズ・DVD・CDが売られているショップになっている(喫茶店にもなっている)。シネコンなどで大々的に公開されるのではないような作品が上映されているようですね(湾仔にあって今はもうない「影藝戯院」の受け皿になっているのかな?)。 主演の三人がいいのはもちろんなんだけど、出色の出来は、誰が観てもあの怪しい先生(ジアシャオグオ)。彼の存在抜きにはこの作品は語れないし、若い二人だけでは薄っぺらい、どこにでもあるようなお話しになっていた。
別に結論がどうのこうのではないし、ハッピーエンドでもない。そんなものは用意されていない。そんなものは必要ない。
不思議なことに、字幕は無かったのに、ほとんど不自由に感じなかった(漢字の字幕があったからかな?)。でも、出来れば日本語字幕でもう一度拝見したいですね。そんなチャンスあるかな? おしまい。 |