軍鶏/SHAMO

どうも付いていけない



  

以前なら、現地に行くまでどんな映画が上映されているのかわからなかったものだけど、今はインターネットで何でも調べられる。しかも香港は漢字だから、おおよその見当が付いて、それもまず間違いが無い。それでも、行きしなの飛行機で「星島日報」という地味で割りと堅い地元紙を読んで、上映情報を確認。
う〜む、香港の映画館、4年半ぶりだと随分と変化があって、昔ながらのホール形式のスクリーンは姿を消しているし、「影藝戯院」という香港島にあった商業ベースではない上映館もなくなってしまったようだ...。どこもかしこもシネコンになって、シネコンになると、その時に流行っている大作ばかりの上映で、地味な作品や旧作の上映がなくなってしまって淋しいもんです...。

で、今回の香港ではあんまり映画を観る気がなかった。チャンスだと思っていた韓国映画の「食神」はタッチの差で上映終了(それに香港ではあんまり評判が良くなかったみたい)してしまっていたしね。
それでも、旺角をぶらぶら歩いていたら、ランガムプレイスというどでかくて新しいシッピングゾーンがあって、その中にシネコンがあり、しかも「観てもいいかな」と思っていた「軍鶏/SHAMO」の上映時間がぴったり。こりゃ観るしかないかな...。

主演はショーンユー。だけど、何故か舞台は日本。原作は日本の漫画らしい。最近、このパターンが多いな。
何しろ、救いが無くて、どうしようもなく暗い。

幸せな家族。成瀬亮(ショーンユー)も難関の私立高校に進学している。それが、一転して両親殺しで逮捕され少年院に投獄(?)されるところから、この暗いお話しはスタートする。ショーンユーは、こんな狂気溢れる役柄が意外とマッチしていてるのかもしれないけど...。
少年院に入った成瀬は虐げられるどん底に落ちるが、どこからか現れた空手の達人(フランシス・ン)から院内の道場で手ほどきを受ける...。そして出所した成瀬は、よくわからないけど、格闘技大会に出ることになるのだが...。
結局、何がなんだかよくわからないし、どうも暗いんだなぁ。このお話しのそもそものスタートラインがもう一つ理解できないし、どうして亮が格闘技大会で闘うのかもボクにはよくわからない。妹さんが何かキーを握っているようなんだけど、それもどうもなぁ...。もう少し、理解できて同感できるようなストーリーなら良かったんだけど、はっきり言ってボクのようなおっさんにはどうも乗れませんでした。かと言って不愉快になるというわけでもなかったのですが...。

もう大阪でも吹替え版での公開が始まっています(ほんまに早い!)。
興味がある方はご覧になってもいいかもしれませんが、あんまりオススメはしません。きっと、日本語の台詞で観ても大きく印象が変ることは無いでしょうから...。
今のところ、ボクのショーンユーのベストは「ベルベットレイン」ではないかと思っています。

おしまい。