ディ・ウォッチ

SFX大巨編



  

前回にも懲りず、時間を空けずに千日前の敷島シネポップへ。上映時間の関係で仕方ない。
前作「ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZOR」は、06年のアタマに観たのだからほぼ2年ぶり。正直云って、情けないことだけど細部はほとんど憶えていない。憶えているのは、ただおどろおどろしい世界がダークな画面一杯に描かれていたことくらい。

しかし、何のことやらわからないうちにどんどん展開していく。
1/3ほど過ぎた辺りで「う〜む、こんな話しやったんかなぁ」とおぼろげで怪しげな記憶がよみがえってくるだけ...。
“異能者”の世界には対立する二つの流派があり、その両者がこともあろうか謎のチベット僧(?・しかも黄金の皮膚)が守る“運命のチョーク”を巡って激しくぶつかりあうのだ。
それが何故チョークなのかは不明だけど...。

前作の「ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZOR」を拝見して“ブレードランナーとマトリックスを足して割ったような映画”だと感じたんだけど、今回は“中華圏の武侠もの(チャイインーモウの“HERO”のような世界)”を加えさせていただきたい。
こうなると、もうまとまりが無く、はちゃめちゃで、誰が味方で誰が敵で、一体何を求めているのかさっぱりわからなくなる。ロシアのお話しにどうして急にアジアンチックな方々が大挙画面を独占してくるのか(チンギスハーンの一味なのか、それともチベットの方々なのか?)それもさっぱりわからないけど。とにかく、サービス精神だけは旺盛で、スクリーン狭しとがんがん暴れまわってくれます。
特に面白いのは、異能者の世界の描写(表現)で、これはこれで一見のかちがあるやもしれませんね。

もし、この作品を十分に堪能したければ、恐らく発売されているであろう前作の「ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZOR」をDVDかビデオで観て、しっかり予習してからご覧になること! そうしないと、ラストシーンの意味ももっと違ったものになるのではないかな〜と思います。とにかく中年性アルツハイマーが入っているボクには「???」が点滅するだけのSFX巨編でした(もったいないことをした...)。

おしまい。