DMZ 非武装地帯 追憶の三十八度線 |
時は流れても、DMZはまだ存在している |
韓流シネフェス以外の枠でもどんどん韓国の映画が公開される。そんな中でも地味にひっそりと公開されていたのが「DMZ 非武装地帯追憶の三十八度線」。韓流シネフェス上映中の天六、こっちは一階のユウラクザ。お客さんの入りはパラって感じで、いつもの天六。 何のために闘うのか、誰のために銃を取るのか、どうして相手を倒さなければならないのか...。そういった説明は一切無い。そういうイデオロギーは国民の共通認識としてしっかりと保持されているのか。それが良いか悪いかは別にして、このお話しは語られ始める...。
大学で映画を専攻している主人公ジフン(キムジョンフン)は、入隊し、訓練中の出来事が縁でDMZに配属される。そこは38度線を挟んで北と対峙する最前線。遠く離れた安全地帯から想像するDMZは極限の緊張が解けることが無い地帯に見えるけれど、配属された部隊で送る日々は「あれ?」っと思うほどののんびりムードが漂っていた。
このお話しは“思い出”がベースになっている。そしてその思い出は生涯忘れ去ることが出来ない思い出なんだろうな。深く刻み込まれて決して癒えることはない。だから、イデオロギーの問題ではなく、ある意味ノスタルジーに浸るものなんだろう。 ラスト近く、東京に写真を持っていくエピソードが挟まれる。ひょっとしたら、それは事実であったかもしれない。でも、このエピソードだけはなんだか蛇足のような気がしました。
兵長役の俳優さん(パクゴンヒョン)がいい。もちろん役がいいのもあるけれど、それだけではないような気がしました。今回、この映画で初めてお会いしたような気もしますが、次回作はムングニョン主演の話題作(かなりの確率で日本でも劇場公開があるはず)「ダンサーの純情」だそうです。この作品も含めて今後に期待出来そうな気がします。 おしまい。 |