「フリーダ」

くっついている眉毛が印象に残る


  

最近、どんどん映画を見逃している。忙しくなっているので仕方が無い。休日もしたいことが山ほどあって映画だけに時間を割けないのが残念。それでも、土日のどちらかはまとめて何本か観るように努力している。この日も三本ハシゴする予定。朝から二本観て、一旦家に戻り、夕方再度出撃する予定。

梅田では上映が終わってしまった「フリーダ」。三宮ではモーニングショウでまだやってくれてます。こういう時差(?)上映は有難いことです。お客さんは10名ほどと淋しいけどね。
この人がどんな人だったのかはまるで知らなかった。メキシコに生まれた世界的女流画家だったようです。今、天保山のサントリー・ミュージアムで彼女の展覧会が開催されている。行ってもいいかなと思った。そんな彼女の一生を描いているのがこの「フリーダ」なんですね。なかなかよく出来ています。

写実的というよりも、どこか劇画のような、説明的な個性的な絵を残している。
やっぱり、芸術家と呼ばれる人は凡人とはどこか違う。そんな当たり前のことを改めて教えてくれる。なに不自由ない自由奔放な学園生活を送っていたフリーダは下校時に乗り合わせたバスで事故に巻き込まれ、脊髄を損傷、骨盤は三つに砕け、腹部には手摺りが背中まで貫通する。生死の境を彷徨い、どうにかこちら側に戻ってくるが、再び歩けるかどうかはわからない。
ベッドに横たわり、身体中の痛みに耐え涙に暮れる彼女に両親が与えたのが、キャンバスと絵筆。

もし、この事故に遭わなければこの芸術家は誕生しなかったのか?
偶然の皮肉。苦しみや辛さが才能を呼び起こしたのか。
何度かの手術の後、フリーダは自力歩行が出来るようになり、ついには踊ることさえ出来るようになる。そして、男性との出会い、恋、結婚...。そんなフリーダの波乱万丈な生き様が上手に語られていく。
フリーダという実在の女性がどんな方かは知らないけれど、この映画の魅力のほとんどはフリーダを演じたサルマ・ハエックに負っている。
この人、なかなか光っている。10代のフリーダから中年に差し掛かるまでを一人で上手く演じている。

最後が駆け足だったのがちょっと残念なような気もしますが、上手くまとまったいい作品です。
マリア・カラスといい、このフリーダといい、何か仕事をやりとげた芸術家というのは美しいものなんだなぁ。まずまずのオススメ。
大阪では心斎橋のシネマ・ドゥ、三宮ではシネ・リーブル神戸でもうしばらく上映しています。時間を確認してからお出掛けくださいね。

おしまい。