「ションヤンの酒家(みせ)」

26/Mar./2004

  

ナビオで「ヘブン・アンド・アース」を観た後はOS劇場C・A・Pへ移動。ここでは「ションヤンの酒家(みせ)」(2002年中国、原題:「生活秀」)を観てきました。

今まで一番感動した中国映画、「山の郵便配達」の監督作品。今回は現代の重慶は吉慶街を舞台に、ションヤンが屋台を営んでいるという文字通りションヤンの店。
重慶という都市の土地勘がよく分からないけど、大きな河(?)を渡るロープウェイが印象に残る。そういえばこないだ観た「たまゆらの女(ひと)」もそうだったナ、現地の人には有効な交通手段なんだろう。
あと屋台が立ち並ぶ吉慶街という古い街並みも、「ハリウッド★ホンコン」にあったダイホム・ビレッジを思い出す。しかし、この街も同じように都市開発によってやがて取り壊されようとしているらしい。

そんな中で気丈に店切り盛りする女性がションヤン。
ところが、嫁に頭の上がらない兄の子供を押し付けられ、麻薬中毒で更正施設に入っている弟の面会にも行き、他人に住まわれている実家の名義を取り戻すために奔走する、なんとも忙しい日々。
それでも彼女は力強く生きている。
しかし、そんな生活の疲れた気持ちが、店先でお洒落な服を着て化粧をし、男を誘惑するような仕草に表れているのだろうか。恋をしたい、幸せになりたい、とは誰しもが求めることなんだろう。

ところが愛した男が自分の思っていたような人ではなく、なおかつ吉慶街の都市開発を進める地上げ屋だったという皮肉も辛い。やっぱり世の中そんなに上手くはいかない、ハッピーエンドでは終われないね。
それでもみんな一生懸命幸せを求めて生きているんだ。

期待していた「山の郵便配達」のような感動のお話しではないけれど、興味がある方はご覧になってもいいかもしれません。
鴨の首がチョット美味しそう、しかし全部持ち帰りで買ってるのはどう考えてもそんなに食わんやろ! と思ってしまいます。