「カルマ」

09/Apr./2003

  

さて今回は動物園前シネ・フェスタにて「カルマ」、2002年香港。
原題は「異度空間」で、主演はレスリー・チャン、悲しくも彼の遺作となった作品です。劇場入口にはレスリーの写真と花が飾ってあり、彼の冥福が祈られてました。

さてカルマとは、
1. 人が担っている過去や逃れられない運命に隠された意味を知る事。主に悪運をいう
2. 身体・言語・心による人間の働き・行為。行為は必ずその結果をもたらし、また現在の事態は必ずそれを生む行為を過去に持っているとする思想
ということですがなんのこっちゃわけわかりません。

どんなお話かというとホラー映画なんですが、でもちょっと今まで観てきた邦画のホラー映画なんかとはちょっと違う。「呪怨」や「リング」のような“呪い”の映画では無く、どっちかというと“幽霊が見える”という「シックス・センス」や「the EYE[アイ]」の方に近い。
お話としては“幽霊が見える”というヤン(カリーナ・ラム)と、精神科医であるジム(レスリー・チャン)が主な登場人物。
ヤンは、突然耳に聞こえるうめき声、ふと鏡に映る人の姿など、身の回りに頻繁に起きる怪奇現象に悩み、情緒不安定になていた。ついに彼女は友人の進めもあって、精神科医であるジムのもとへと向う。
ジムは「幽霊というのはその人物の過去の記憶、経験などからくる無意識の想像だ」という見解を持ち、ヤンもその例にあたるとして彼女のカウンセリング親身に取り組む。
ジムの献身的な診療のおかげで、やがてヤンは平静を取り戻してくる。そしてそれとともに、二人の間にはいつしか愛情が芽生えてくる。
ところが、やがて今度はジムの周りにも不思議な現象が起こり始める。
“それ”は最初は遠くにいたが、やがてだんだん近くに現れるようになった...。

“呪い”の映画でも無く、かといって“幽霊が見える”という映画でもない。 幽霊が襲うように登場する演出にスリルも味わえ、かつそれをレスリーが精神の病気として謎を解いていく。この前半の展開はなかなかスッキリとして楽しめました。
後半に入り、レスリーの方に災いが降りかかって来ると、なんかどんどん違う映画になってきたような気もします。結論というかオチはすでに読めてしまっているし、登場する幽霊の少女もいろんな意味で魅力があまりないですしね。もう少し謎を引っ張りながら深みを出すか、それかホンマの呪いの映画にして二人とも呪われててんやわんやしてしまう展開もよかったかも。
しかしストーリはさほどでも無いのに、ラストシーンでは別の意味で度肝を抜かれてかなりあせりました。
映画はハッピーエンドに終わってよかったですけどね。

ここシネフェスタや、梅田ガーデンシネマでもレスリー・チャン追悼のレイトショー上映特集があるようです。観逃した作品がある方は是非足を運んでください。

以上、本日オワリ