「マイ・ラブリー・フィアンセ」

07/Feb./2003

  

さて、本日はひさびさに動物園前シネフェスタにやって参りました。
ここはいつも休みの日にやって来るのですが、この日は珍しく平日。この劇場は休日でもガラガラなことが多いのに、意外にも平日夜にもかかわらず人がいたことに驚きです(もっとも10人もいませんでしたけど...)。
劇場ロビーに貼ってあるポスターを観ると、シネフェスタの今後のラインナップは香港、中国映画がかなり多い! スー・チー、ヴィッキー・チャオ、カレン・モク出演の「クローサー」他、タイトルは忘れましたが5、6本はあったでしょうか、これはまた楽しみですね。

さて、この日観ましたのは「マイ・ラブリー・フィアンセ」2001年アメリカの映画。主演があのジャン・レノ。しかし上映されている劇場は全国でも現在2館だけというなんともマイナーな映画です。

中世は12世紀の英国から現代はアメリカのシカゴへとタイムスリップした騎士、というよくあるようなお話し。お馴染みのように主人公は時代を超えたギャップに、現代で奇行と騒動を繰り広げる。彼らにとって、街行く車は狂暴なドラゴン、洋式トイレなど、水の涌き出る神秘の泉だ(このあたりのエピソードはおもしろおかしく描かれていて、楽しめるところ)。ただこの映画では、ジャン・レノ演じる主人公のティボー伯爵とともに、その従者アンドレも一緒にタイムスリップしたところがミソ。
封建社会の中世時代、騎士に従う従者はその主人の所有物だ。馬には乗らず、走って主人に付き従う。当然、食事は同じテーブルであるはずがない、食べるものも主人の残飯だ。それがあたりまえの世界、お喋りでお調子者のアンドレも、それが当然のように仕えていた。
しかし、ここは現代のアメリカ、自由の国だ。やがてアンドレは、現代に住む女性と恋に落ち、自分の存在意義を問い始める。この映画の真の主人公はひょっとしたこの従者アンドレかもしれない、しかしそれだけにジャン・レノの方がかすんできてしまうと言うちょっと中途半端な形になってしまう。

映画としてエンターテイメント性があってなかなか楽しめるお話し。しかしジャン・レノ自身の良さが出ているかと言うと、そうでもないような...。
あと、ティボー伯爵と従者アンドレを間違って900年後(現代)にタイムスリップさせてしまった英国の魔術師が、二人の後を追って自分もタイムスリップし、彼らを連れ戻そうとします。ここはお話しとしては、後を追ってやってくる魔術師というよりも、すでに現代に溶け込んで住んでいる別の魔術師がいるというストーリーの方が面白そうだったかな。
ティボー伯爵がヒロインの女性ジュリアを乗せて、現代のシカゴを馬でさっそうと駆けるシーンはなかなかよかったところです。

ではまた次回、サイナラ