「クンドゥン」

チベットについてもう少し知りたくなる。


  

今回は「クンドゥン」。場所は梅田のガーデンシネマ。今回は最後列に座ったのでむかつかず。お客さんは八分って感じの入り。

「重い」と言うのが感想。ダライ・ラマ14世がインドに亡命して50年近く、この間、彼は何を思い、感じて亡命生活を送っていたのかもっと知りたくなります。チベット仏教がどういうモノなのか、本を読んで、もう少し勉強したくもなります。

映画はダライ・ラマ14世がチベットの寒村で見いだされ、成人し、中国の抑圧によって、インドへ亡命するまでが描かれています。無邪気な幼・少年時代から、世界の趨勢に翻弄され苦渋する青年期まで、1940年代のその時期に法王になったからこそ巻き込まれてしまった、彼の運命を嘆かずにはおれません。 チベット仏教の法王猊下(クンドゥン)なのに、政治家として、外交官としての力量を問われるのは悲劇なのではないでしょうか。

チベット仏教の奥義として、精緻に、丹念に描かれる「曼陀羅」は圧倒的です。

西洋文明の象徴として(?)時折写される靴。諸外国からの貢ぎ物のウイングチップ(革靴)を嬉しそうに履いていたダライ・ラマ。しかし、中国解放軍の司令官が履いていた泥のついていない靴を見た彼は民衆の心を彼らが掴んでいないのを悟り、自分はもう西洋式の革靴を履くのはやめよう、自分の足で、チベット式の靴で、民と同じ目の高さで接していこう、と心を決めたように思いました。

中国ファンの私としては、あまりにも一方的に中国が悪者に描かれていて、少しかわいそうかなとも思いましたが、実際はこんなものかな、とも思います。(それにしても、2歳のダライ・ラマとその家族が、チベットの片田舎であんなにベラベラ英語を喋るとは・・・、この辺りはアメリカ人の傲慢さが見え隠れします)

テヘラン、ベルリンに続いて、チベットのラサ、ポタラ宮殿にも行きたくなります。以外とラサが私にとっては一番実現の可能性が高い場所なのかもしれません。

おしまい。