僕の彼女はサイボーグ

いつまで“亡霊”にとりつかれているのか...



  

2002年の春節が終わった頃、香港で拝見した「我的野蠻女友/My Sassy Girl/猟奇的な彼女」には、驚いたし、腹を抱えて笑ってしまった。
今は2008年、あれから何年過ぎたのだろう?

そんなに楽しみにしていたわけではないけれど、クァクジェヨン監督が日本で撮った作品だし、参加は出来なかったけどエキストラへも声を掛けていただいただけに、観に行かないわけにはいかないか。

「荒唐無稽」と云ってしまえば、ただ一言だけど。それだけではない。この監督だからこその理想の女性像がこの作品で表現されていたのではないでしょうか。
逞しくて、強くて、賢くて、そしてもちろん美しいのだけれど、どこか危うさもあって「ボクが支えてあげないと...」と思わせる一面もある。そんなところに、クラっと来るのか、コロっと参ってしまうのか...。

綾瀬はるかと小出恵介の主演。
冴えない大学生のジロー(小出恵介)は、自分の誕生日なのに一人で自分に自分でプレゼントを買うためにデパートへ行く。デパートのフロアで、キレイだけれどちょっと変わった女の子を見かける。一人でレストランで食事を取っていると、ジローのテーブルにその彼女が現れ...。
翌年、またしてもジローは誕生日に一人でレストランで座っていると、そこにまた“彼女”がやって来る。とてつもない怪力の持ち主で、妙に正義感が強くて、ちょっとしたことに首を突っ込まないと気がすまない“彼女”。こんなとんでもない“彼女”にジローは...。

これって、ひょっとしたら「猟奇的な彼女」が映画の中で書いていた“あの”シナリオなの?

“SFラブロマンスコメディ大作”ということなんでしょうか。それなりにオチもついていて、まとまっているのだけれど、ただ、こうして思い返していても、残念ながら特に強い印象が残っているわけではないな。どのように受け止めていいのか正直良くわからない。
クァクジェヨン監督もチョンジヒョンもいつまでも「猟奇的な彼女」の呪縛に縛られていないで、どうかもっと自由に大きく羽ばたいてもらいたいなぁ(そういう意味ではチャテヒョンは「猟奇的な〜」に引きずられていないね)。

面白いです。ただ、わざわざスクリーンで観なくても(もっとも、とうの昔に上映は終わっていますが...)、お家でDVDかビデオでご覧頂くので十分だと思います。

おしまい。