色即是空 シーズン2/Sex is Zero II

イムチャンジョンは楽しそうでした



  

07年の後半はとにかく忙しかった。全身が炎上して火達磨。毎日が針のムシロに座らされているようで、逃げ出したかった。それでも、逃げ出すわけには行かず、津波のように押し寄せ尽きることない仕事を一つひとつコツコツとこなしていくしかない。
それでも、息切れする。もうこうなったら海外に逃亡するしかないと、アシアナの航空券だけを握り締め、ひと足早い年末年始休暇に入らせていただく。
たどり着いたのは、山あいにある人里離れた温泉宿。な〜んにもない。だけど、この何にもないのがその時のボクにはぴったりだった。

すっかりリフレッシュして(くたくたになって?)ソウルに戻る。
11月に公開されて大ヒットした「食客」という作品を楽しみにしていたのだけれど、残念ながらソウル及びその近辺ではもはや上映していなかった(いや、ほんまに残念)。
大作は新暦の年末年始ではなく旧暦の正月にあわせて公開されるせいなのか、食指が動くような作品を上映していない。どかんとポスターが貼られている「私たちの生涯最高の瞬間」(主演:ムンソリ)と「無防備都市」(主演:ソンイェジン)は上映はまだだしなぁ...。調べてみるとアンリー監督の「ラスト、コーション」が日本より早く上映中。これは観なくてはいけない...。

時間がぴったりだった鐘路三街のピカデリーで拝見したのは「色即是空 シーズン2/Sex is Zero II」。主演はイムチャンジョン。一作目は韓国では2002年に公開され、日本では2005年に「セックス・イズ・ゼロ」というタイトルで韓流シネマフェスティバルで上映されていますね。
初公開から5年も過ぎているのにまだ大学生をしているイムチャンジョン。超力研究会もまだあるばかりか、部長のチェソングクもまだ学生をしているのだから不思議(まぁ、映画だからね)。もっとも途中から何故かK1同好会に変ってしまうんだけど...。

出だしからちびっとヘンタイチックで、こんなノリが嫌いな人にはもうダメだと思います。受け入れられる人にとってはなかなか面白い(と思う)。そう大きくないスクリーンだったけど、大学生くらいの若い人たちでほぼ満席。常に笑い声が絶えず、時にはどっと沸くことも。ボクもついていける部分も少なくなかったけれど、ここがどうして面白いのかわからない部分も少なくなくて、ちびっと淋しかった。

前作のヒロインは今をときめくハジウォン(今回もちらっと出てきます)。今回はソンジヒョン。ちょっと印象が薄いような気もしましたが、彼女もブレイクするかもしれませんね。イムチャンジョンは、何も今更もう一度こんな作品に出なくてもいいんちゃうかと思ってしまいますが、とっても楽しそうに演技しています。また、チェソングクも前作で初めて顔を拝見しましたが、今では何作か出てそこそこの売れっ子になっているようですね。「キム館長 対 キム館長 対 キム館長」はVCDを持っているから、早く観なくっちゃ!
前作のことをよく覚えていないから確かなことは言えないけど、脇を固めるメンバーたちも前作に引き続き沢山出ているみたいです。覗きをするヘンタイ二人組みのお兄さんも、確か前のお話しにも出てたような...。

まぁ、観ても観なくてもどちらでもいいお話しであることは間違いありません。前作をご覧になって面白いと思った人にはいいかもしれませんね。
日本での劇場公開は有り得ないと思いますが、前作のように何かの映画祭的な上映会では上映されるかもしれませんね。イムチャンジョンやチェソングクのファンの方はお楽しみに!

そうそう、日本を除くアジアの映画館はどこも本編が終了してエンドロールになると、すぐに場内が点灯されて明るくなってしまいます。そんな、そそくさと出て行くお客さんの足を喰い止めようとしているのかどうかはわからないけど、(最近は韓国映画でもちらちら見られるようになったけど)この作品でも最後のクレジットにNG集が流れます。ほとんどのお客さんは、それを観てなかったけど、なかなか面白かったので、チャンスがあれば是非どうぞ!

あんにょん。