サン・ジャックへの道 |
モノよりも大事なものがある |
春先に予告編を見て「観ようかなぁ」と思っていたものの、あわわと思っている間に終ってしまった(最近はこんなんばっかり)。で、そんなこともすっかり忘れていたところ、福岡へお邪魔することになり「何かやってへんかな〜」と調べてみたら、こっそりと上映されているのを発見。う〜、こうやって巡り合うのも、やっぱり縁なのかなぁ...。
いつか行こうと思っていることの一つに、お遍路さんがある。白装束に金剛杖で四国のお寺を巡るやつです。何の願を掛けるわけでもないけど、自分の足で歩いてみたい。そこには山歩きとはまた違うものがあるはず...。ただ、そこには宗教的なものは希薄。
会社を経営していて、片時もケイタイが手放せない忙しさ、しかし、家にいる奥さんはアルコールに溺れている。高校で教鞭をとっている、しかし旦那さんは失業中で子供を抱えて困っている。生まれながらの怠惰さで、ず〜と失業中でアル中、奥さんにも愛想を尽かされて娘ともたまにしか会えないし、待ち合わせたカフェの支払いも彼女に頼っている始末...。 人生とはなんと余分なものを背負っているのだろう。あってもなくてもそんなに違わない。あれば便利だけどなくてもどうってことがないものばかりなのかもしれない。じゃ、余分ではないものは何なのか、それを探しに、知るために人は巡礼の道を歩き始めるのかもしれない。
別に難しいことを考えて観る必要は全くない。 あゝ、旅に始まりがあるように。旅は突然終る。もう少し夢を見ていたかったな。
大絶賛かというと、実はそうでもない。同行のメンバーはクッションになりスパイスとなり、本筋に彩りを添えてはいるのだけど、やや饒舌だったように思う。そのせいか、三兄弟の邂逅が注意散漫のうちに成し遂げられてしまうのが、やや残念だったかな。
女の子が途中の岩陰で重たい荷物の中身を捨ててしまう。 おしまい。 |