大丈夫/MEN SUDDENLY IN BLACK

こんな作品こそ劇場公開して欲しいな


  

何ともこんな映画を大真面目に作ってしまう、その心意気がいい。さすがに香港!
だからこっち(観る側)も、その気になって見ないといけません。

エリックツァンに小春ちゃん(ジョーダンチャン)が主演。
昨年の東京国際映画祭で上映されていますね。福岡アジア映画祭にもエントリーしていたけれど、直前になってキャンセルされました。上映していたら昨夏も福岡へ行ったのになぁ。

お話しそのものは他愛の無いもので、仲良し四人組(?)が、奥さんや恋人が揃ってタイへ日帰り旅行へ出掛けることになる。そこで、残された男どもが羽根を伸ばして“酒池肉林”を楽しもうとするのだが...。
この日を待って、実に4年間もじっと計画を練っていた。それは、前回に同じようなチャンスがあったとき、お楽しみの最中に奥さん連中に踏み込まれ、自ら人身御供になった九おじさん(レオンライカーウァイ)の恨みを晴らすことでもあるのだ。九おじさん、浮気がばれたため、今では市内の邸宅で軟禁状態に置かれているのだ...(その軟禁状態も有る意味ケッサクです)。

キャッシュ(現金)を用意し、カードの使用で足を残さない。それどころか、携帯電話にもプリペイドカードを利用して、履歴は残さないという用意周到さ。さらに、巧妙に偽装したタクシーをこの日のために用意してある。
そして、乗り込んだ先はセントラルにあるコンラッドホテル(どうしてシャングリラやマンダリンオリエンタルではないのかな?)。まずここでナンパして、ただ酒・ただ飯にありつくはずだったが...。

その次はネットカフェへ乗り込む。インターネットを使ったことがないおじさま方のために、やさしいお姉さまが指導してくださる夢ようなネットカフェがあることは、知識としては知っていたけど、こんなところだったのか! この優しい指南役を悪いことをしてもいいのかな? モンコックあたりにたくさんありそうです(今でもあるのでしょうか?)。

そんなこんなで、すったもんだがありながら、また九おじさんを慰問したりしながら、最後の目標「ホテルのスイートルームで酒池肉林」を達成するため、ホテルのある一室に乗り込むのだが...。

出だしのノリは、まるで黒社会ものなんだけど、結局エリックツァンをはじめ、出て来る人たちが皆人がいいというか、何と言うか...。きれいに落ちもついて、結局「長いものには巻かれろ」いやいや「奥さんには敷かれろ」ってことですか?

なんか映画を撮りながら凄く楽しかっただろうな、そんな感じが伝わってきました。アホらしいと思いながらも、こちらも思わず引き込まれて、ハッピーな気分になりました。
贔屓のラムシューもちょこっと顔を出してくれています。四人組の一人を演じていたチャップマントゥは「無間道」シリーズでサム(エリックツァン)の頼りない手下役をしていたのではないでしょうか? 今回は真面目な役ですね、ちょっと背は低いけれど綺麗な顔立ちだし、今後の活躍が期待できそうな気がします(って、もうスターの仲間入り仲間入してるのかな?)。
取り立てて必見とは申しませんが、チャンスがあればご覧になっても損はないです。でも、日本での劇場公開はどうでしょう? 最近、香港の作品はあんまり上映してくれないからなぁ。淋しいです。
今回拝見したDVDは、昨年の夏でしたか友人が香港へ遊びに行ったときに頼んで買って来ていただいたものです。ようやく観ることができました。その時に頼んだDVDがまだあと2本あるけどね。

おしまい。