氷雨

これで“韓流シネフェス”もおしまい



  

全部で21作品だった(かな?)上映された「韓流シネマフェスティバル2005」。
その中には何本かは既に拝見したものもあったけれど、なかなかいい企画で、「?」という映画があったのも事実だけど、地味目な作品も上手くセレクトされていて、嬉しい悲鳴の連続でした。都合で「ワイルド・カード」と「ファースト・キスl」は観逃してしまったけれど、ホクテンザとTOHOシネマズ高槻で11本拝見しました。
どれが面白かったかは、各自の目的によって違うでしょうが、ボクにとってはチャスンウォン目当て(?)で行った「ライターをつけろ」のキムスンウが新しい出会いでした。この人、こんなしょぼくれた役が似合っているような気がします。全く期待していなかった「ピアノを弾く大統領」も軽く楽しめたし、「色即是空」のイムチャンジョンもいい味出してましたね。
全国でどれほどの動員だったのかは知りませんが、短期集中巡業方式での「韓流シネフェス」、是非とも来年以降も開催していただきたいものです!

で、最後に拝見したのがキムハヌルとイソンジェ、ソンスンホン主演のへんてこなメロドラマ「氷雨」。実は封を切ってもいないDVDが拙宅にある作品。
一連のTOHOシネマズ高槻での上映作の中では最もお客さんの数は入っていた。もちろん時期がお盆だったことも関係はしているだろうけれど、朝10時からの上映で、半分ほど埋まっているのには驚きました。ソンスンホンの人気なんでしょうかね?

ユヘジンがイソンジェの親友役で出ているのが目を引くくらいで、正直云ってイマイチ。
イソンジェは嫌いな役者さんではないけれど、どうもどの役をやっても同じように見えてしまうのはどうしてなんでしょう?
キムハヌルは、非常に守備範囲が広い女優さんで、コメディからホラー、そして純愛ものまで何でもござれだけれど、こんなメロドラマのヒロインはどうも似合わないような気がする。

決定的だったのは、この人たちはアラスカのなんという山だったか知らないけれど、山に登山することは出来ません。間違いなく。歩き方しかり、装備しかり、服装しかり。山を歩きに行くのではなく、まるで遭難しに出掛けていくように見えて仕方なかった。
きっとこの映画を観て、山へ行こうと考える人はほぼいないと思うけれど、それにしても酷い。アドバイザーとかそんな人はいなかったのだろうか? この思いは後日拝見した「南極日誌」でも強くした。

お話しそのものも、ちっとも明るくなくて、なんだか後味が悪い。
キムハヌルはいつだってちっとも幸せそうではない。わざわざ複雑な人間関係を構築して、その結果が全て悪い方向に向かうのであれば、お話しそのものが面白いわけがない!
せめて、あの雨の日、キムハヌルの新居にイソンジェが遊びに行ったときぐらい、幸せそうなキムハヌルの弾ける笑顔が見たかったな。

ほんの少しだけ期待していたものも、すかっと空振りしてしまい、ボク流に酷評すれば「おもんなかった」。ただ、それだけです。

お口直しに、この春劇場公開され、きっとビデオやDVDにもなっている(であろう)「運命を分けたザイル」をどうぞ! こちらは正真正銘、本物の山岳映画です。

おしまい。