香港国際警察/New Police Story 

安心して楽しめます



  

以前にも少し書いたけれど、昨今の韓流ブームの一番のあおりを喰っているのは香港映画。香港映画の公開本数が激減している。淋しい限りです。
で、今回はその数少ない香港映画。ジャッキーチェンの香港復帰第一作という触れ込みの「香港国際警察〜ニュー・ポリス・ストーリー」。既にお気づきの方もいらっしゃるかもしれないけれど、ボクはあんまりジャッキーチェンが好きではない。嫌いじゃないけれど、彼のドタバタはあんまり好きではなかった。でも、今回は香港が舞台だし、耳に届くウワサもいいものばかり、それにニコラスツェーもダニエルウーも出ている。さらに、チャーリーヤンまでも出ているではないか!
多分、気楽に楽しめる作品だと思って、こちらも構えずに気楽に行きました。

ところが、最初から躓いた。
土曜の朝一番の回、春休み期間中とはいえ、がらがらだと思っていたら、チケットカウンターでガツンと一発。「最前列の端っこしか空いていません」「!」
びっくりしたなぁ。じゃぁ、7階のちびっこのスクリーンではなく、大きなスクリーンを使えよ!

ストーリーは割りとシビア。
ジャッキーチェンが扮する警部が指揮を取った作戦で、別に気を抜いていたわけではないけれど部下を全て失ってしまう。そのために、ジャッキーチェンは責任を問われ休職させられた上に、酒に溺れ自堕落な毎日を送っていた。そこへ駆け出し警官のニコラスツェーが現れ、捜査に加わることになった。署長から休職処分も解かれたというメッセージも携えていた。それでも、ジャッキーチェンは自分の行動に躊躇していたのだが...。

恐らく、キャストもスタッフも、そして予算も。全てがふんだんにあったのでしょうね。とにかく豪華で派手。全ての面で驚いてしまう。
感動とか落涙するとか、そんな感情は一切なく、ただひたすら痛快でスカッとする。ボクが事前に思っていた通り、何も考えずスクリーンに向かい、ひたすら目を空けて受け入れる、口を開けて声を出し、叫び、驚き、笑う。それでいいと思う。
難しさはないんだけど、一見シビアに見えるストーリーを、観客を飽きさせることなくぐいぐい最後まで引っ張っていく力量には、ひたすら感心しました。

そんなジャッキーチェンの心意気に応える形でお客さんが満員だったのも嬉しかったな。
今日のお客さんの一人でもいいから香港に興味を持ってくれて、また別の香港映画に足を運んでくれたら、どんなに嬉しいことでしょう!
次の香港映画は「インファナルアフェア3」ですね。これは1と2をご覧になっていない方には、ちびっと苦しいけれど、間違いなく傑作!

もちろん、大きいスクリーンで観てこそ値打ちがあると思いますが、ビデオやDVDでTVやパソコンの画面でご覧になってもこの「香港国際警察〜ニュー・ポリス・ストーリー」の面白さは伝わると思います。
サービス精神たっぷりのこの作品。気楽に楽しみたいとき、スカッとしたときなどに安心してオススメできる一本です。
これをきっかけにあなたも“香港迷”の仲間入りを! わ〜ん、香港へ行きたいよ〜!

おしまい。