爆裂都市

どうしてこの映画が...


  

このところ天六で香港の映画がよく上映される。
ここはちょっと毛色が変わった映画館。昨今のシネコンとは違い、昔の映画館の雰囲気を色濃く残している。まぁ、中には「このおっちゃん映画を観に来ているのか、それとも寝に来ているのかわからん」という輩もいるけどね。まぁ、それは仕方ない。お陰で(?)、女性のお客さんは極端に少ないです。
年末の「レディ・ウェポン」に続いてこの「爆裂都市」。その後「風雲!格闘王」も上映される予定です(こちらも楽しみ)。

正直言って「この人目当てで来ました!」というクラスの俳優さんは出ていない。時間つぶし以外のお客さんは、物好きか、香港映画ならなんでもって感じの方(ボクは後者)だけでしょうね。
初日の二回目の上映だったけど、10名ちょっとの入りでした。

アレックスフォンって、どう見てもサッカーでアテネ五輪の監督をしていて現ジュビロ監督の山本氏に似ている。冴えないところまでそっくり。そのアレックスフォンが主人公。
出だしは懐かしの香港・啓徳空港。そうそうこんな造りやったなぁ、なんて懐かしく見ていたら、いきなりマカオの要人が狙撃される事件が発生! その狙撃犯を逮捕したものの昏睡状態。
事件解決に乗り出したのがアレックスフォン。彼が主導権を持ち捜査に当たるのだが...。

ここから何故か続々と日本人が登場する。香港で最も有名な日本の映画俳優は、やっぱりこの人「ソニー千葉(日本名:千葉真一)」なんですね。でも、不思議なことに、このソニー千葉って誰と喋るときも台詞は絶対に日本語なのがおかしい。
そして、啓徳空港で大暴れした狙撃犯もよく知らないけれど、日本人の俳優さん。だけど、このしらたひさこ、なかなかかわいいんです。この人は広東語の台詞も多いのだけど、喋れるのかそれともこの部分は吹き替えだったのでしょうか?

自分の妻を犯人グループに殺害され息子を人質に取られてしまったアレックスフォンは、仕方なく犯人グループの言いなりになり、警察からも追われる身になってしまう。
そうこうしているうちに事件の全貌が明らかになっていくのだが...。

なんとも間が抜けていて、ちょっと緊迫感に欠ける。
筋の運びが強引なのは、香港の作品の常道なので特に気にはならないけれど、それにしても、これだけ大掛かりなお話しを展開するには、最終的な狙いがどうもな。必然性がよくわからないし、ソニー千葉扮する“オトーサン”が全然説得力がないのがいただけない。
それにどうしてジェイド(しらたひさこ)だけが急に改心してしまうのかも不明だねぇ。
が、観ていて面白くないかというと、そうではなくそこそこには面白いです。ただ、何かを期待するとそれは裏切られるでしょうね。
サイモンヤムも警備担当役で、ラムシューはマカオの顔役(?)でそれぞれ出ています。
どうしてこの作品が日本で劇場公開されるのか全くの不明。これならもっと楽しい、見応えがある作品がなんぼでもあるでしょうに...。

もう少し天六のユウラクザで上映されているはずです。
香港がお好きな方はどうぞ。

おしまい。