ティラミス

たまにはこんなお伽噺にはまるのもいいかも


  

海遊館から地下鉄と環状線で新今宮へ。
この日が初日、しかも何故か6日間しか上映されない(それも一日に2回だけ)香港の作品「ティラミス」。初日プレゼントでA3ほどの大きさのポスターカレンダーが配布されている。特に欲しかったわけではなかったけれど、せっかくのプレゼントだからありがたく頂戴しました(ちびっと恥ずかしかったけどね)。
上映時間には結局、60名ほどの入りになったのにはびっくりしました。男性はボクを含めても数えるほどで、ほとんどの方はニコラス迷の方だったようですね。

甘い甘い「SFロマンス」ってジャンルに分類されるのでしょうか? 何か原作のコミックでもあったのかな? ボクが思い描く香港映画とはちょっとテイストが違うように感じました。
でも、この日のボクは珍しく素直な気分だったので、大甘なこの物語りがすんなりと心の中に入って来ました。こんなことも本当に珍しい、普段はついつい斜に構えて観てしまうのにね。

ニコラスは耳が聞こえない。数年前にあることがきっかけに音を失ってしまった。そんな彼が仕事で乗ったMTRで偶然に隣り合わせに座った女の子。実はこれこそこの二人にとって“運命の出会”だったのね。
ウ〜ン。そうか、運命の出会いとはこんなに何気ないところに転がっているものなのか。凡人のボクは、今まで気付かずに通り過ぎてしまったんだろうなぁ(残念!)。でも、ニコラスは映画の主人公を演じるぐらいだから、当然気付く。そして、この二人はたった一日のうちに4回も逢ってしまう...。

お話しそのものはちっとも目新しくはない。でも、バカらしいと思いながらも、ついつい観続けてしまう。そんな魅力も持っている。
本当は、もうほんの少しの工夫と努力で、もっともっと素晴らしい作品になっていたような気がしないでもないけどね。設定もいいし、もちろんキャストも悪くない。惜しいな。詰めが甘いというか、少し安直だったような気がします。もう少し、泣かせる、喜ばせる仕掛けがあっても良かったのに。
前に観た「カルマ」「ヒロイック・デュオ」では全く魅力を感じなかったカリーナラムも、今回ばかりは良かったし、かわいかった。見直しました!

ところで、香港の映画に女子大生や腰掛気分のOLって出てきませんね。女子大生は「玻璃(ガラス)の城」でスーチーが演じていたことがあるけれど、それ以外はちょっと知らない。香港の映画に出てくる若い女の子は、どの子も逞しくて忙しいし、バリバリ働いているか幾つものアルバイトを掛け持ちしていたりする。このあたりが日本とは大きく事情が異なるところなんでしょうね。これが台北が舞台なら女子大生も珍しくはないだけに、なんだか不思議な気がします。

残念ながら大阪での上映は終了しています。
おそらく近日中にDVDかビデオが出るでしょうから、興味をお持ちの方はそちらでご覧下さいな。但し、いろんな意味で甘い作品ですよ。

おしまい。