マッスルモンク

アンディラウがこんな役を!


  

巷では“韓流”だと言うのに、香港の映画も細々ながら頑張っています。大阪でもひっそりと公開されています。
「無間道」シリーズで渋い男を演じた方思えば、「LOVERS」で貧乏くじを引き何とも情けない役を演じていたアンディラウが“怪演”している「マッスルモンク」を観てきました。
スクリーンは梅田のロフト地下にあるテアトル梅田。レイトだし10名も入っているのかなと思っていたら、なんと40名ほどの入りとは驚きました!

しかし、これいいんでしょうか? 天下のアンディラウがこんな役を演じてしまって?

正直言って映画の出来はイマイチ(いや、イマサンぐらいか?)。この映画はアンディラウやセシリアチャンが出ていなければ、振り向かれもしなかったに違いない。まして、日本で公開されることはなかったでしょうね。良くも悪くもアンディラウの映画です。
もうひとつ強く感じるのは、香港(中国)人の持つ人生観と日本人が持つ感覚とでは大きく異なるということでしょうか。この映画の後半部分にはボクはちょっと付いていけなかった、いや理解できなかったなぁ。この映画は世界市場を意識して作られたのではなく、中華圏の同じ意識を共有している市場向けに製作されたのだと思います。

「SFカンフーアクションライトラブロマンス武侠片」ってとこですか? とにかくぶっ飛んだ設定がミソで、細かいストーリー展開はどうでもいいって感じ。とにかく強引に映画は展開していきます。ここまで強引なのは久しぶり! なので、ここでストーリーについて語るのはやめておきます、あまり意味がないしね。

日本では「僧兵」(弁慶のような人?)は存在していたようだけど「武僧」という人はいなかったのではないでしょうか(意味はわかるけど)。
山西省大同の石窟にある寺院で、その「武僧」の修行をしていたアンディラウが、なんとムキムキマンになって香港の街に登場する。この姿がなんとも言えずに“凄い!”。どう鍛えても、そこまではいかんでしょ、って感じ。アメリカンフットボールの防具がそのまま筋肉になったって表現したらいいのでしょうか?
そんな「武僧」アンディラウと「女刑事」セシリアチャンの淡い恋と、アンディラウが身につけたその人の“業・カルマ”が見えてしまうという、悲しい性(さが)。この二つがストーリーの柱。
ストーリーとしては本当にもうひとつなのに、この特異な設定とアンディラウの魅力だけで約2時間をぐいぐい引っ張っていくのは、流石としか言いようがないですね。しかし、大陸まで出かけて行ってロケする意味があったんでしょうか?

ボクとしては本編よりも、本編終了後にあった予告編特集の方がよっぽど面白かったなぁ。「デッドエンド〜冷戦」なんて、すっかり忘れてた。改めて見るとアンディラウが若くて、シャープで、尖ってる。かっこいい! もちろんこの作品、本編もオススメです。
四本目に流れた「ニーディング・ユー」のサミーチェンは、なかなか「好・ハオ」です!

最後になりましたが、セシリアチャン。
久しぶりに拝見しましたけれど、やっぱりなかなかかわいいですね。こんな役が似合いますね。しかし、彼女の背後霊(?)が日本兵なのにはまいったなぁ...。

おしまい。