ホワイト・バレンタイン

チョンジヒョンが初々しい!


  

立秋を過ぎ、お盆を前にして朝晩の暑さが幾分和らいできたと思っていたら、甲子園での連日の熱戦やアテネ・オリンピックの開幕が影響したのか、またしても暑さがぶり返してきた。昼間は少々暑くてもそれは我慢する。でも、連夜の熱帯夜は勘弁してください。もう駄目だぁ...。

さて、今回紹介するのは随分前に観たまんまになっていた韓国映画「ホワイト・バレンタイン」1999年に作られたようです。
「猟奇的な彼女」で日本でも大ブレークしたチョンジヒョンの本格的スクリーン・デビュー作ですね。日本での劇場公開がされるはずもなかったのに、チョンジヒョン人気にあやかってか、急遽公開されたようです。
会場は「永遠の片想い」に続いて、シネ・リーブル梅田。お客さんもそこそこ入っていました。

出演はチョンジヒョンにパクシニャンだから、こないだ拝見した「4人のテーブル」と同じ。その他、「風のファイター」でカラテの達人を演じるヤンドングンがちょっと情けない役で出ています(最初は気が付かなかった!)。
お話しそのものは、取り立ててどうちゅううことがない少女趣味の甘いストーリー。
ジョンミン(チョンジヒョン)は画家を目指す少女。絵が書きたくて、学校(高校?)を中退してしまっている。毎日画板を片手にスケッチへ出かけている。住んでいるのはソウルではなさそう。どこかのどかな地方都市。家は書店を営んでいて、どういう理由か(その後、説明されるけど)祖父とお店の二階で二人暮し。ちなみに、この書店に彼女目当てでやって来る青年役がヤンドングンです。

ジョンミンの回想で、この子の面白い過去が語られる。
まだ学校に通っている頃、軍隊に入隊している兵士(パクシニャン)と中学の教師という設定で文通をしていたのだ。甘い文通を繰り返し、とうとう彼が逢いに彼女が住む街へやって来ることに。もちろん、まだ女学生のジョンミンは、彼の前に姿を現せない。あきらめて列車に乗り込む彼を追いかけて、走り去る列車を自転車に乗り追いかけるジョンミンの姿は「手紙」のパロディ?

そんな街に、事故でフィアンセを失ったヒョンジュン(パク・シニャン)が住み着き、小鳥屋さんを開業する。このヒョンジュンは二役ではなく、ジョンミンと文通していた兵士その人という設定。
このヒョンジュンが飼っている純白の伝書鳩が、何故かチョンジヒョンの部屋に迷い込んでくる。この鳩の足首に結ばれた手紙を読んだ彼女は...。

特にどうってことが起こらない。でも、ほのぼのと乙女チックな気分が味わえる。それに、若いチョンジヒョンが初々しくていいね。パクシニャンも若い! それに、ソウルの都会のようなビルの雑踏ではなく、しっとりと落ち着いた地方都市ならではの味わいが画面の随所に散りばめられていて、その色彩を含めてとてもいい感じです。どこの街かなぁ、まだ残っているなら行ってみたい。そんな気にさせれらます。
まぁ、醒めた目で見れば、映画と言うよりもTVドラマのようなものかな。
毛糸の端を鳩に結び付けて、どの家に帰るのか追いかけるのは、なんて言うか、ちょっとロマンチックさに欠けるような気がするけどなぁ。

ラストに雪が降るのは、お約束なんでしょうね。
いろんな意味で、ちょっと唐突なような気もしますが、これはこれでいい。さらに、最後がどうなるのか各自で判断してくださいという終わり方も、この物語にマッチしているのではないでしょうか。

チョンジヒョン迷なら見逃せない作品でしょうが、それ以外の人はどうでしょう?
もうシネ・リーブルでの上映は終わってしまっていますが、DVDやビデオでも充分だと思います。

ほのぼのと甘い気分に浸りたい方にはオススメです。
少女漫画ってあまり読んだことないけれど、この映画を「少女漫画のよう」と形容してもいいのでしょうか(ボクのイメージではそうなんだけど)?

次回も韓国映画。もう終わってしまうのではと心配していたら、ピカデリーからブルク7に格上げされて続映されている「箪笥」です。

おしまい。