「きらめきの季節/美麗時光」

ちょっと、いやいやとってもわかりにくい


  

やってきたのは渋谷と青山の境目(?)にあるシアター・イメージフォーラム。
ここは表参道からも渋谷からもちょっと離れていて割と行きにくい劇場。
ちょっと風変わり(?、と言うか商業ベースに乗りにくい)な作品を上映していることが多いですね。ここで上映される作品は大阪だとシネ・ヌーヴォや閉館してしまった扇町ミュージアムスクエアで公開されることが多かったように思います。
コンクリート打ちっぱなしのかっこいい外観で、エントランスにはトマソン風の階段があってなかなかいい感じ。お客さんは10名ちょっととちと淋しい。でも公開されてからずいぶん時間が経っているし仕方ないかな。

「最愛の夏」という映画を撮ったチャンツォーチ監督の作品。「最愛の夏」にもヒロインの相手役で出ていたファンチィウェイが主役(なかなかかっこいい!)。「最愛の夏」もつかみ所がないちょっとわかりにくい映画だったけど、この「きらめきの季節」もちょっとわかりにくい(いや、とってもわかりにくい)。
なんかツァイミンリャンやエドワードヤンなど、このところの台湾の映画は小難しいなぁ(もっとも、そんな映画ばかりを日本で公開しているのかもしれないけど)。

仲がいい従兄弟同士のアウェイとアジェ。何をするわけでもなくぶらぶら日々をすごしている(何して喰っているんだ?)。アウェイの1分違いの姉(つまり双子)は末期癌でもう長くない。
ある日二人は借金の取り立ての仕事を始める。兄貴分に目をかけてもらいなんとか仕事が上手く行きだしたんだけど...。

高校を出て、定職にも就かず家でぶらぶらしている二人の、多分軍隊に行くまでの束の間の休息を青春のきらめきとして描いているんだろうけど、なんかこの二人が「きらめいている」とは思えないから始末が悪い。毎日が楽しそうにも見えないしね。青春はもう少し夢を見て欲しいなぁ。
それともこんなタッチの映画に共感できなくなったボクはおっちゃんになってしまったのだろうか?

それにしても、食事のシーンが多い。中国の映画はこうじゃなくっちゃ。こうして、多くの家族で一つのテーブルを囲んで、大声でしゃべりながら食べるのが食事なんだよなぁ(まぁ、今回はそんなに美味しそうでもないんやけど)。

次回はもう少しわかりやすくて、観ていて楽しい台湾映画をお願いします。途中で睡魔との闘いに負けそうになり、意識が遠のくことが何回かあった。
次ぎに観る台湾映画はスーチー主演の「ミレニアム・マンボ」(候孝賢・ホウシャオシェン監督)かな? 予告編を観てスーチーが普通話(北京語)を喋っているのに違和感を感じてしまった(彼女は台湾出身なのにね)。予告編を観る限り、あんまり明るそうな映画ではなかったけど、そこそこは期待できそう。

おしまい。