「華の愛/遊園驚夢」

宮沢りえは美しい


  

昨年の秋頃だったか「宮沢りえが香港映画でモスクワ映画祭の主演女優賞を受賞した」というニュースが流れてきた。この報に接してボクは彼女がまだ芸能活動を継続しているのを知った程度だった。その当時、この映画の日本での公開予定は無いとい言われていたしね。
で、その映画が今日ご紹介する「華の愛」。香港映画なのに全編普通話(中国語)。ロケは蘇州で行われたようですね。

「宮沢りえは美しい」という映画です。

彼女が中国語を話せるわけはないので、台詞も歌声も全て吹替え。この吹替えで宮沢りえの魅力が減じるわけではなく、ますます彼女の魅力が増すのだから不思議だ。宮沢りえがこんなに美しい女性になったなんてボクは知らなかったなぁ。

正直に言ってストーリーは他愛の無いものだ。
清朝末期の蘇州が舞台。演舞場の歌姫ジェイド(宮沢りえ)は、とある富豪に見初められ、彼の第五夫人として彼の豪邸での生活が始まる。ここで一女を得たジェイドだが、地味で静かな生活だ。やがて富豪はアヘンにふけるようになり、ジェイドが呼ばれるのも彼女が歌を唄うときだけだ。
そんな静かなジェイドの生活を支えているのは、富豪の従姉妹・ラン。ランは長身で男装を好み、まるで男のよう。先進性に富み、女学校で教師を勤めている。ジェイドとは仲の良い女友達の枠を超えて、まるで恋人同士のようだ。
主人である富豪の経済的な没落、富豪の第二執事からの愛慕、従姉妹に恋人の出現などのサイドストーリーが用意され、やがてジェイド自身が結核に冒されていることが明らかになっていく...。

何度も言いますが、宮沢りえが薄幸の歌姫を好演しています。
従姉妹・ランにはジョイ・ウォン。従姉妹の恋人役にはダニエル・ウー(監督が「美少年の恋」の人ですからね)。第二執事の人(ジャオ・ジーカン)、どこかで見たことがあるなぁと思っていたら「變臉(へんめん)」で人観音を演じていた役者さんですね。
映像が美しく、物語の背景になる建築物がまたいいですね。でも全ては宮沢りえの美しさの引き立て役にしか過ぎないですけどね。
日本の作品ではなく、香港の作品によって彼女の美しさが再発見されるというのは皮肉というか何というか...。

会場は新梅田シティのリーブル。20名ほどのお客さんでした。この映画も先週一杯で終了してしまいました。興味をお持ちの方はビデオかDVDをお待ちください。

ワールドカップ開催に合わせて、久々に全国メジャー公開されている香港映画「少林足球」。結構、話題になっています。嬉しい限りですね。チャウ・シンチー、ヴィッキー・チャオは日本でもメジャーになるかな? この作品をご紹介する予定です。

おしまい。