「歴古歴古新年財/Fat Choi Spirit」

役者のキャラだけでどうにかこうにか...。


  

この日三本目の映画は「歴古歴古新年財/Fat Choi Spirit」というこれまたお正月ムードのコメディ映画。ホントは「歴」ではなく「口歴」(口へんに歴)、「古」も「口古」(口へんに古)なのですが、当然、日本語には無い文字なんですね。
劇場は引き続き百老匯旺角。終映時間が夜中の12時をまわる回にも関わらず、ほぼ満席の大盛況。月曜日なのに!
主演はアンディ・ラウ、そしてジジ・リョン。ジジちゃんほんとにお久しぶりです!
でも、映画そのものの出来は正直言ってもうひとつ。

この映画はジジちゃんのコスプレも一つの見所。白バイ警官のりりしい姿から、ボインのおねえちゃんまでファンにはたまりませんね。でも相変わらずお芝居のほうはもう一つ。
高い確率で日本では公開されないと思います。それは、この映画、ストーリーの大半はマージャンだからです。現在、日本ではマージャンがすたれているからなぁ。
その他の出演者はアンディのライバル役にラウ・チンワン。彼の父親役に「ザ・ミッション」で最後に殺されるおじさんを演じていた太った老人(名前は知らない)など、さすがジョニー・トォの映画だけありますね。いい面子なのになぁ。

ボクは一応マージャンのルールを知っているからそれなりに楽しめたんだけど、マージャンを全然知らない人はどうかな? 
でも、さすが香港。ほぼ満席のほとんど全員がちゃんとルールを知っているようで、ツボを押さえた笑いが起こっていました(エライなぁ)。どうでもいいけど、日本のルールとは少し違うようで、あんまり役がなくて、やたらと国士無双を作りたがるようです。また、この映画を観ていて初めて知ったんだけどマージャンにはアメリカルールや台湾ルールがあるのですね。
久しぶりにマージャンがしたくなりました。

お正月映画らしく、明るい笑いを散りばめた作品で、毒にも薬にもならない面白さというのでしょうか。そんな映画です。逆に言うと、ストーリーそのものはどうでもいいようなお話しで、出演者のキャラクターで何とか見せている、そんな映画とも言うことができるでしょう。

ジジちゃんがアンディの気を引くために、昼食を差し入れるんだけど、それは自分で作るわけではないのね。前日にアンディから何が食べたいのか聞き出しておいて、通りがかりの下校途中の子供を捕まえて「あなた、明日はピザのお弁当を持って来なさい!」なんて命令して、翌朝、その学生からピザのお弁当をカツアゲするという用意周到さ(?!)。
なんか、今までのジジちゃんのイメージを打ち壊すような、そんな一面もありました(でも、とってもかわいいから、何でも許されちゃいますね)。

辞書を引いて調べたんだけど、ボクの乏しい語学力ではタイトルの意味は不明。
しかし、マージャンだけでアンディはあんな豪邸に住むことができるんですね。凄い!
この映画のアンディ・ラウも「天下無双」のトニー・レオンもそうなんだけど、役どころが三枚目というか二枚目半というの、どうもなぁ。コメディ映画だから仕方ないけれど、ほんとはもっとストイックでニヒルな役でスクリーンに登場してもらいたいもんです。

香港に着いたその日にいきなり続けて三本。さすがに疲れました。
ホテルまでは歩いても3分ほど。途中のコンビにでビールを仕入れて、熱いシャワーを浴びて冷房で冷え切ってカチコチになった身体をほぐすと、どっと疲れが噴き出してきました。ビールを飲むのも忘れてそのままバタンQ。

次回は翌日にまたしても旺角で観たお正月映画「嫁個有銭人/Marrt a Rich Man」をご案内します。

おしまい。