「情事/an affair」

こんなこともしてみたい


  

東京へは月に一度出張で行く。たいていが金曜日。一泊して翌日の土曜は映画を観ることが多い(たまには山に行ったり、サンフレを応援したりもするけど)。いつも泊まっているホテルが4,000円や5,000円台で泊まれる格安のキャンペーンを行っていたが、とうとうこのキャンペーンも終了してしまい通常料金に戻ってしまった。これからも東京で一泊するかどうか微妙だなぁ。と、言うことで今回は欲張って土曜だけで3本観ることに。
その1本目はシネ・リーブル池袋、モーニングショーのみで上映されている韓国映画の「情事」。

ゆっくりとした、それでいながら濃厚。静かだけど激しい。そしてどきどきしてしまう。そんな映画です。

主演は「Interview」「イルマーレ」「純愛譜」など続々と日本でも主演作が公開されているイジョンジェ。相手役にはイミスク。彼女はこの映画のために10年ぶりにスクリーンにカムバックしたとか...。とても美しい人です。(そして、イミスクの亭主役には「反則王」でソンガンホの上司役の支店長を演じていた人が出ています)

金浦空港の到着ロビーでLAからの乗客を待つ二人。イジョンジェは婚約者を、イミスクは妹を待っている。お互いはまだ知らないが同じ人を待っていたのだ。ゲートから出てくる人が途絶え、閑散とするロビー。彼女はこの便には乗っていなかった。
後日、二人は妹の婚約者、婚約者の姉として喫茶店で待ち合わせる。仕事でアメリカから戻れない妹に代わって結婚の準備を進めるために、新居を探したり、家具を揃えたり...。
イミスクは建築家の夫と10才ほどの息子がいる。経済的にも恵まれて何不自由ない生活だ。イジョンジェは14年間生活したLAからソウルに戻り、父親が経営する会社の跡継ぎとして仕事をこなしている。

そして、いつしか二人は惹かれ合う。

この映画にはあまり露骨なラブシーンは登場しない。陰部やバストが露出することもない。でも。二人の息遣い。それだけで充分エロチックだ。

揺れる思い。しがらみ、夫に子ども。後半はイミスクの側面から語られる。

二人が大通りに沿って、左右の歩道に別れて歩いている。お互いの姿を確認しながら...。途中、街路樹や売店、クルマの影になって姿が隠れる...。この時の二人の楽しそうな姿がなんとも言えず微笑ましい。

この映画ほど観ていてどきどき胸が打って、そして観終わった後に放心状態に陥った映画はありません。

関西ではたぶん3月頃にシネ・リーブル梅田で上映されるそうです。お楽しみに。 これまた、オススメの一本ですね。
この映画はきっと「韓国の失楽園」として紹介されるでしょうが、ボクは「失楽園」の小説も未読だし映画もテレビも未見。比較はできません。
韓国の映画に出てくる家はどこもすごい。今回もイミスクの家はほんとにすごいよ。イジョンジェの家もいいけどね。蛇足だけど韓国映画では水槽を割るシーンが好きだねぇ。

次回は放心状態のまま東中野で観た「アレクセイと泉」をご案内します。

おしまい。