「JSA」

この悲劇はいつまで続くのか!


  

関西もとうとう梅雨入り。これからしばらくは、鬱陶しい日々が続きますね。
そして、9月中旬ごろまでは蒸し暑い季節。ほんまに嫌やなぁ。
皆さんも体調には充分お気をつけ下さいね。

さて、木曜日の夜に345さんと一緒に観た映画は「JSA」という韓国の映画。
会場は梅田のナビオにある「梅田スカラ座」。こんなに大きい一流映画館で映画を見るのは、一体何時以来でしょうか?
しかも1,000席はあろうかというこの映画館の巨大なスクリーンで韓国の映画を観る日が来るなんて! ちょっと信じられない気分でした。
とは言え、平日の最終回とあって、1分程度の入り。それでも約100名は入っているんだから立派なものです。

この映画を語るときに、まずお伝えしたいのは、イ・ヨンエが美しさ。シム・ウナが芸能界引退・結婚という可能性が高まっているなか、このイ・ヨンエは韓国映画界の救世主になるのではないでしょうか。
いままで、テレビのCMや広告のポスターを見ているときは、そんなに彼女の良さに気が付かなかったのですが、この映画のイ・ヨンエはいいよ。
映画の中での「役」は、ハッキリ言って「もう一つ」。終始中途半端な立場で、別に無くてもいい役なのかもしれない。でもこれは彼女のせいではなく、脚本が悪いな。イ・ヨンエの役はもう少しサラッとした役の方が良かったのかもしれません。原作の小説では彼女の役は男性だったらしい。だからちょっとムリのあるキャスティングだったのかな?

そして、忘れられないのがソン・ガンホですよね。彼抜きではこの作品は成り立たなかったでしょう。決して二枚目の俳優さんではないのですが、押し出しの強く、存在感があります。この映画では「いい役」というか「得な役」を得ていますが、この大役を見事に演じていますね。ほんとに久しぶりに「エンゼルパイ」が食べたくなりますヨ。
今までのソン・ガンホのイメージを覆す、彼の代表作と言えるのではないでしょうか。ソン・ガンホは「シュリ」で、ハン・ソッキュの相棒役をしていた人で、「シュリ」」では確か熱帯魚の水槽と共に撃たれてしまいます。

ストーリーは「もしかしたらこんな話しはホンマにあるかもしれへんな」と思わせるものなのです。話の結末には「こんなふうなエンディングを迎えざるを得ないところに、問題の根深さがあるんやな」と深々と考えさせられます。
これまでの韓国人々は北朝鮮を「非人間的な人間」として捉えることが多かったように思えます(殺人鬼や殺人マシーンとして)。でもこの映画では、北の軍人も自分たちと同じ血の通った「人間」として描いている。ここに、私はわずかながらも「雪解けムード」を感じ取ったのですが、どんなものでしょう。

昨夜、観終わってすぐはなんか気持ちの整理がつかなかったのですが、一夜明けた今日は「もう一度観たいな」と思います。
もう一度じっくり観て、この映画はボクに一体何を伝えたっかたのかを確かめたい気分です。
男女の恋物語ではなく、男同士の友情の話だけに、ホントはハッピーエンドで終わってもらいたかったと思うのはボクだけでしょうか。

おしまい。